小児がんの子どもを持つひとり親世帯への支援制度を開始

小児がんの子どもを持つひとり親世帯への支援制度を開始

〜 経済的困難にある小児がん治療を行うひとり親の保護者を支援 〜

認定NPO法人ゴールドリボン・ネットワーク(理事長:松井秀文)は、小児がんの治療を開始する子どもを持つひとり親世帯を支援する事業を2月1日に開始します。

1.ひとり親世帯支援制度とは
小児がんを患い入院、治療を受ける子どもに付添うひとり親世帯へ支援金を支給する制度(GRNひとり親世帯支援制度)で、1世帯につき初回入院時に10万円を支給します。

2.対象者
小児がん(小児慢性特定疾病/悪性新生物)と診断されて入院治療を受ける、申請時20歳以下の子どもに付添うひとり親で、下記に該当する世帯。

・給与収入  :申請時における前年の源泉徴収票の支払金額が500万円未満。
・給与収入以外:申請時における前年の確定申告書Bの所得合計欄が356万円未満。
        所得証明書の場合は合計所得金額が356万円未満

3.小児がんの子を持つひとり親世帯支援制度の背景
小児がんは、一般的に15歳未満の子どもが発症するがんです。希少がんであるうえに種類が多いことが特徴で、医療の進歩により5年生存率は7~9割と向上していますが、依然として子どもの病死原因の第一位という厳しい疾患でもあります。
小児がんの治療のための入院期間は半年から1年と長期にわたるため、保護者は入院付添いのために仕事の退職や休職をせざるを得ないことが多く、特にひとり親世帯の場合、退職や休職は世帯収入の停止や減少に直結します。そのうえ入院時には、入院のための費用がかかります。加えて治療中は医療費のほか、交通費、付添い家族の宿泊費や食費、幼いきょうだいがいる場合は保育施設等に預けるための費用など、様々な経済的負担がのしかかります。

全国における児童のいる世帯は1,173万4千世帯(児童とは、18歳未満の未婚者)、そのうち児童のいるひとり親世帯は88万5千世帯で全体の7.5%にのぼります。(参考:厚生労働省「平成29年 国民生活基礎調査の概況」)
一方で、世帯の平均稼働所得(個人が働いて得る所得)は、児童のいる世帯平均が686.8万円、ひとり親の母子世帯平均は231.1万円です。母子のひとり親世帯の所得が低いことが分かります。(参考:厚生労働省「令和元年 国民生活基礎調査」)

日本では、年間約2,000人~2,500人の子どもが小児がんと診断されています。非正規雇用のひとり親世帯の子どもが小児がんに罹患した時は特に、収入が閉ざされるうえ新たに様々な費用がかかることで多くの保護者は悩むことになります。
実際、小児がんの子どもを持つ世帯は、長期入院治療の付添いのために仕事を継続できない状況になりやすいほか、家族が分離・離婚となる割合が高く(当法人の小児がん経験者のための奨学金制度利用者のうちひとり親世帯は78%にのぼり、奨学金開始以降の奨学生世帯の平均収入は234万円)、経済的に困難な状況に陥りがちです。

そこで、認定NPO法人ゴールドリボン・ネットワークは、小児がんと診断されて入院をすることになった子どもを持つひとり親世帯へ、入院時の諸経費に充てていただくものとして一律10万円を支給し、各世帯で一番必要なことに使っていただく「GRNひとり親世帯支援制度」を開始します。小児がん患児を持つひとり親世帯が、経済的理由で適切な治療をあきらめることのないよう、「救える命は救いたい」という想いで小児がん患児の家族、とりわけひとり親世帯が抱える課題の解決に取り組んでいきます。

<参考>

【本リリースに関する問い合わせ先】

認定NPO法人 ゴールドリボン・ネットワーク (設立:2008年)
担当:鵜飼、山崎
所在地:東京都豊島区西池袋2-21-8-204
TEL:03-5944-9922 E-mail:npo@goldribbon.jp
WEBサイト:https://www.goldribbon.jp/

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